カーリースは返却時に費用がかかる?請求されないための注意点も解説
カーリースは、毎月一定の月額料金を支払うことで車を利用できる便利なサービスです。
しかし、カーリースについて情報収集をする中で、返却時に費用がかかるということを見聞きしたことがある方もいるでしょう。
カーリースの返却時に費用がかかるのはどのようなケースか、請求されないためにはどのような点に注意すると良いのかについて、この記事で解説します。
目次
カーリースの返却方法は?契約成立から返却までの流れと返却手順
まずは、カーリースの契約成立から、契約終了、車両の返却までの一連の流れについて以下に解説します。
全体的な流れを把握しましょう。
契約開始:カーリースの「月額料金」の決め方
カーリースの契約は申し込みを行い、審査に通過すると開始されます。
このとき、カーリース契約期間中に契約者が支払う月額料金が算定されるのですが、この月額料金の決め方に特徴があります。
月額料金は、「車両価格ー残価+諸費用)÷契約期間、という計算式で算出されます。
つまり、車両価格から、契約終了時に車両を返却したときの車両残存価格を差し引き、その金額に諸費用を加算した上で、契約期間で割るということです。
「残価」は、カーリース契約終了時の費用に大きくかかわる部分なので、ぜひ記憶しておきましょう。
契約中:基本的な利用方法であれば追加の料金などは必要なし
カーリース契約中は、基本的に通常の利用方法であれば追加の料金などは必要なく利用できます。
もちろん、燃料代を含めた消耗品は契約者が自前で調達する必要がありますが、月額料金の中に含まれる「諸費用」の中に、ほとんどの料金は含まれているので、突発的に大きな出費が求められることがないのがカーリースの利点です。
契約終了:車両を返却する
契約終了後、車両を返却する契約となっている場合には、リース会社へ車両を返却して契約終了となります。
ただし返却の際には、いくつかの手順を踏む必要があります。
返却の手順
車の返却の手順は、おおむね「返却場所と返却日の決定」、「返却準備」「返却と清算」という3段階に分かれます。
以下にそれぞれのステップについて、詳しく解説します。
返却場所や返却日を決定する
契約期間満了日の半年ほど前になると、車の返却に関する連絡がリース会社から届きます。
連絡が入ったら、返却日時や返却場所について、リース会社の担当者と相談して決めると良いでしょう。
返却の準備を行う
返却日時と場所が決まったら、返却に向けた準備を進めます。
このときに重要なのは、車の原状回復です。
たとえば車にドリンクホルダーを設置した場合や、マット・クッションなどを持ち込んで使用していた場合は、返却前に元に戻す必要があります。
見落とされがちなのがカーナビです。リース車に後からカーナビを装着した場合には、返却時にカーナビも取り外す必要があります。
車の返却と清算
返却準備が整ったら、車をリース会社へ返却します。
返却時にリース会社が車の状態を確認し、原状回復費用が発生している場合には、ここで生産・費用に関する連絡を受け取ることになります。
乗り換えの手続きはどうすれば良い?
車を返却する上で、次の車へ「乗り換え」をしたい場合には、並行して契約手続きを進めておくとよりスムーズです。
リース車は車種・在庫状況によっては新車購入と同様に「納車待ち」となることがあるためです。
カーリースで追加の費用が求められるタイミング
ここからは、カーリースで返却時に追加費用が求められるケースについて解説します。
以下に解説するような状況になってしまうと、追加費用が求められる可能性が高くなるため、カーリース利用の際には注意が必要です。
車を返却時に原状回復費が発生した場合
先の項目でも触れたように、車の返却時に原状回復費用が生じる場合があります。
特に以下のようなケースは車に乗っていると発生しやすく、返却時にトラブルになりやすいため注意しましょう。
車に傷やへこみなどの損傷がある
車に傷やへこみなどが発生し、車体に損傷があると原状回復費用を請求されるケースがあります。
たとえば駐車時などにぶつけた、こすったなどの場合には分かりやすいでしょう。
飛び石など不可抗力が原因で、傷が小さい場合には見逃してもらえる場合もありますが、傷を発見した時点でリース会社に連絡をしておくのが無難です。
また、リース契約時に「規定内の傷・劣化」は請求されない損傷となります。
例としては、消耗品の劣化やドアノブ内部のわずかなひっかき傷など、やむを得ない劣化部分です。
車内に汚れや臭いがある
車内の汚れや臭いにも気を配りましょう。
普通に運転しているだけであればそれほど汚れることはないでしょうが、食べ物・飲み物をこぼして内装を汚してしまったり、車内でタバコを吸ってしまうと強い臭いが残ります。
こうした汚れや臭いはカーリース会社から原状回復費用の支払いを求められる可能性があることを把握し、リース車はきれいに利用するよう心掛ける必要があります。
車のカスタムをしてしまった
一般的には、カーリースの車ではカスタムはできません。
カスタムをした場合でも、「元の状態に戻す」ことができるのであれば、元に戻して返却をすれば追加費用がかからないケースはありますが、車体の状態を変更した場合には、原状回復費用を請求される可能性が非常に高いと思っておいた方が良いでしょう。
ただし、契約終了後に車を契約者が買い取るリース契約になっている場合には、カスタムができるケースもあります。
走行距離制限を超過
カーリースには、契約期間内に運転できる走行距離の制限があるのが一般的です。
走行距離制限を超過してしまうと、契約終了時に追加の費用が請求されます。
走行距離制限超過分については、超過した距離数×単価で算定されるので、利用しているリース会社の契約条件を確認しましょう。
中途解約したとき
カーリースという契約は、車両価格を契約期間の月数で割って月額料金を算出しています。
このため、基本的に中途解約ができない契約となっています。
それでもやむを得ず中途解約をした場合には、残りの契約期間分の月額料金が請求される場合や、それとは別に違約金が請求されるケースもあります。
中途解約については、別の記事で詳しく解説していますので、併せてご確認ください。
事故などで修理費用が発生した場合
リース車を運転していて事故を起こし、修理費用が発生した場合には、追加の費用がかかるケースがあります。
事故が発生した場合、まずリース会社に連絡をし、修理はどこで行うのか、修理費用はどうするのかということを確認するのが一般的です。
リース車の修理費用は自己負担となることが多いですが、「メンテナンスリース」の契約の場合には、修理費用があらかじめ月額料金に含まれているため、自己負担額がない場合もあります。
残価に差額が発生した
「残価」は、リース契約終了時点での車の残存価格という位置づけです。
当然、リース契約開始時に終了時の価値を見積もるわけですから、予測とのずれが生じる可能性があることは避けることができません。
リース契約終了時に、残価が想定を下回った場合、つまり、想定よりも車の価値が目減りしている場合には、想定残価との差額分が請求されることとなります。
カーリース返却時に費用を求められないようにするには?
前述のようなケースでは、カーリース返却時に追加の費用が請求される可能性が高いといえます。
では、カーリース返却時・契約終了時に費用を求められないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
以下にその具体的な方法について解説します。
車の清掃やメンテナンスを行いきれいな状態を保つ
定期的な車の清掃・メンテナンスは、契約終了時になって思わぬ請求を受けないようにするための基本的な対策の一つです。
汚れもすぐに清掃すれば落ちるものを、放置していたためにそのまま染みになってしまうというケースも多くあります。
定期的な清掃を心がけることで、追加費用請求を避けられるケースは多いでしょう。
走行距離制限を超過しないようにする
カーリースは契約期間が長期間になります。
そのために、契約条件に走行距離制限があることを失念してしまうケースがあり、返却時にトラブルとなる場合があります。
走行距離の制限があることを常に認識し、契約上の上限を超過しないように運転することを心がけると、返却時の費用請求を避けられます。
「クローズエンド方式」で契約をする
カーリースの契約の一つに、「クローズドエンド方式」と呼ばれる方式があります。
クローズドエンド方式とは、契約者に残存価格を公開せず、契約満了時に追加生産を行わない契約方式のことです。
クローズドエンド方式のメリット
クローズドエンド方式の最大のメリットは、契約期間が満了した際に、想定残存価格を実際の査定が下回った場合であっても、追加精算を行わなくて済むという点です。
クローズドエンド方式のデメリット
一方、クローズドエンド方式にはデメリットもあります。
まず一つは、契約満了時に残存価格を支払って車を買い取るという選択肢ができません。
そのため、返却をするか、契約期間を延長するかの2択しかなくなってしまいます。
もう一つは、クローズドエンド方式では、残存価格の差額負担をカーリース会社が行うために、月額料金を高めに設定しているケースが多いという点です。
ライフプランを考えて車種を選択する
先に解説したように、中途解約をしたり車の利用状況によっては、契約終了時に追加費用が求められてしまいます。
そのため、リース契約は自分のライフプランを考えて契約する車種を選択しましょう。
以下で、車種ごとの注意するべきポイントについて解説していきます。
軽自動車
軽自動車を利用するのは、主に街中でのちょっとした移動や、比較的短距離を少人数で移動するという需要が多いでしょう。
走行距離の制限に気を付けるほか、街中での不意の事故にあわないよう注意が必要です。
ミニバン
ミニバンでは、ファミリーや比較的大人数での利用が想定されます。
また荷物を積む用途としても使いやすいことが特徴です。
大人数や荷物を積む際には、内装に傷や汚れが生じやすいため、特に車内の扱いに注意が必要です。
スポーツカー
スポーツカーは、主にドライブを楽しむための車という位置づけが一般的です。
郊外や高速道路を走るケースもあるでしょう。
速度が速くなると、当然事故の危険性は高まります。
また、楽しいドライブに没頭するうちに走行距離を超過してしまう危険性についても検討しておくべきでしょう。
SUV
SUVは広い車内スペースが特徴で、日常の使用だけでなくレジャーでも使いやすい点が魅力です。
アウトドアも流行していますので、SUVの活躍する場面は多いでしょう。
一方で、道の悪いアウトドアでの車の使用は、気づかないうちに傷やへこみを生じている可能性もあります。
内装だけでなく、外観の傷や汚れがないかも定期的にチェックすると良いでしょう。
市場価値が下がりにくい車を選ぶ
市場価値が下がりにくい車は、残価との差額が生じにくいという点で魅力的です。
傷やへこみなど直接的に価値を滅失させてしまうような劣化はどうしようもありませんが、単純な時間経過によって価値が下がらない車を選択するのも良い方法でしょう。
カーリース契約中に注意すること
このほか、カーリース契約終了時に追加費用を求められないために、契約中に注意するべきポイントについて解説します。
車に傷があることを見つけたらリース会社に連絡する
契約中や利用中に、車に傷があることを発見した場合は、すぐにリース会社に連絡しましょう。
中古車のリースの場合には、すでにリース会社が把握している傷の場合もあります。
そのままにしておくと、返却時にトラブルとなるケースもあります。
車の修理は自己判断で行わない
車の修理が必要な場合でも、カーリースにおいては「すぐに修理」と判断する前にやるべきことがあります。
以下のようなポイントに注意するようにしましょう。
リース会社の指示を仰ぐ
まず、傷を発見した場合と同様に、リース会社に連絡して指示を仰ぐようにしましょう。
修理についての取り扱いをどうするか、どこで修理をするかなどは、契約に基づいてリース会社が判断します。
自己判断での修理は新たなトラブルとなる可能性があります。
全損事故の場合は強制解除になる可能性も
一方、激しい事故となり車が全損した場合には、リース契約そのものが強制解除となる可能性もあります。
実際に全損事故を起こしてしまう前に、契約条件をよく確認しておく必要があります。
カーリースで事故を起こした場合や全損となった場合については、こちらの記事で詳しく解説しています。
車の返却以外の選択肢
リース契約終了時には、車の返却以外にどのような選択肢があるのでしょうか。
以下に返却以外の選択肢について解説します。
「オープンエンド方式」での契約の場合
オープンエンド方式での契約では、車の返却をするケースが多いものの、契約満了時に車を買い取ってお気に入りの車を自分の所有物にすることができます。
乗り換える
契約終了と同時に、別のカーリースに乗り換えることもできます。
ただし、契約中は別の車に変更したりすることはできません。
リース契約終了が近づいたタイミングで、乗り換えについて担当者に相談しておくと良いでしょう。
再リースをする
リース契約が終了した後もその車に乗りたいという場合には、再リースの契約を結ぶという選択肢があります。
また、リース契約の「延長」という言葉を使うケースもあります。
再リースが可能であるかどうかについては、利用しているリース会社の契約内容によりますので、契約内容を確認した上で担当者に相談しましょう。
もらえるカーリースのオプションを付ける
カーリース契約で、「もらえるオプション」を提示している会社もあります。
これは、契約終了後に契約者の所有物とすることを前提としたオプションです。
ただし、リース契約満了後にもらえるということで、リース契約中はまだ契約者のものではないという点には注意が必要です。
もらえるカーリースについてはこちら
もらえるカーリースのデメリットについてはこちら
まとめ
この記事では、カーリースの契約終了時における追加費用について解説しました。
追加費用が請求されてしまうケースや、それを避ける方法について知っておくと、より安全で便利にカーリース契約を活用することができるでしょう。
この記事を参考に、カーリース契約を活用してみてください。
この記事の監修者
ctn-magazine
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