カーリースが高いと言われる理由は?5つのポイントで徹底比較
カーリースは、車を所有することなく、毎月の月額利用料金だけで車を利用することができるという点で、近年注目を集めている車の利用方法です。
しかしながら、実際にカーリースを使ったユーザーから、「結局カーリースのほうが高くついてしまった」というような噂を耳にしたことがあるという方もいるでしょう。
カーリースが結局高いと言われてしまう理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では、カーリースが高いと言われる理由について解説します。
目次
カーリースは高いというのは本当?購入やレンタカーと比較した場合
車を購入するのではなく、カーリースで利用したという体験談の中で、カーリースにかかる費用が、他の手段で車を調達した場合と比較して高くなってしまったという話が散見されることにあります。
これは本当のことなのでしょうか。
以下には、カーリース以外の手段で車を調達した場合の費用について、カーリースと比較して解説します。
新車購入の場合との比較
まず、車を調達するという際にイメージしやすいのが新車の購入という選択肢でしょう。
新車を購入する場合には、ディーラーや販売店などで購入の契約手続きを行い、車を購入するということになります。
購入方法は現金一括での購入やローン購入などの方法があります。
なお、一般にローンなど分割で購入する場合には、車両本体価格のうちいくらかを「頭金」として支払うことが多く、このためにある程度まとまった現金が必要となるケースがあります。
カーリースの場合には「頭金」は必要がなく、あくまで毎月の月額料金でリース車を利用することができます。
その一方で、購入する場合とは異なり、基本的に契約期間満了後には車を返却することになります。
中古車購入の場合との比較
中古車購入と新車購入との場合で、手続きなどに大きな変化はありません。
強いていえば、新車と比較した場合、中古車のほうが同じ車種・グレードであったとしても、車両本体価格は圧倒的に抑えられるため、場合によっては一括購入が可能であったり、ローンの場合でもそれほど多くの頭金が必要ないというケースがあります。
なお、中古車の購入とカーリースの比較については、基本的に新車の場合と同様のポイントとなります。
レンタカーの場合との比較
車を購入するわけではなく、「利用する」という意味で調達する際には、レンタカーも有力な選択肢となるでしょう。
レンタカーは手軽に車を利用できる便利なサービスですが、基本的には1日や数時間という短い期間で利用するサービスです。
レンタカーはカーリースとは異なり、1日や数時間という利用時間単位ごとの料金を支払い、利用が終われば返却するという「時間料金」です。
そのため、車両本体価格を支払うことはありません。
ただし、カーリースは距離制限こそありますが、時間に関してはどれだけ乗っていても料金に変動はありません。
レンタカーの場合は決められた時間内でしか利用ができず、仮に延長や延滞があった場合にはさらなる費用が必要となる点に違いがあるといえます。
カーシェアの場合との比較
近年話題となっている「カーシェア」についてはどうでしょうか。
「カーシェア」とは、複数人で車を共同利用するという利用形態のことを言います。
カーシェアは非常に短い、たとえば数十分単位や1時間単位などで車をスポットで借りるサービスであり、車の保険料、車検代といった維持費がかかりません。
また、燃料代もかからないというのがカーリースとの違いです。
カーリースでは、車検代や保険料は月額料金に含まれており、燃料費は別途支払う必要があります。
ただし、カーシェアは時間ごとの利用です。
そのため、長時間使えば使うほど料金が高額となっていきます。
一方カーリースは、走行距離制限はあるものの、基本的にどれだけ長時間使っても月額料金に変動はありません。
なぜカーリースは高いと言われる?
カーリースの月額料金は、確かに車両価格などの合計額を比較してみると高く見えてしまうケースもあるでしょう。
また、実際に「カーリースは結局高くなってしまう」という意見が散見されることも事実です。
これはどのような理由からなのでしょうか。
以下には、カーリースが「高い」と言われてしまう理由について解説します。
カーリースの総額は高く見える
まず、カーリースの料金について注目してみましょう。
確かにカーリースの料金は、その金額だけを見ると月額料金が高く感じられてしまうかもしれません。
同じ本体価格の車で見比べると、契約期間全体を通して支払う金額は、カーリースのほうが高くなってしまうのです。
しかしこれには、「車両本体価格以外の諸費用」が含まれているために高く見えてしまうのです。
カーリースにおける「総額」に何が含まれているかについては、後に解説します。
返却時に追加費用が発生する場合がある
カーリースでは、返却時に追加費用が発生する場合があります。
これが「残価」の設定です。
返却時に残価の精算を行うことで、月額料金にプラスして料金をを払わなければならなかった、という印象が強く残り、結果的にカーリースは高いという結論に至ってしまった可能性が考えられるでしょう。
残価と原状回復費用については、後の項目で詳しく解説します。
一部利用に制限がある
カーリースの利用には、一部制限があります。
たとえば、走行距離の制限や、カスタマイズ・改造ができないなどがそれにあたります。
これは契約上、車の所有権がカーリース会社側にあり、契約者は使用者にすぎないことが理由ですが、「思い通りに利用できないのに月額料金を払っていた」という印象が強く残ると、相対的に金額も高く感じてしまうことが考えられます。
カーリースを利用した結果高くなったという体験談もあるのはなぜか
ここまで解説してきた内容を踏まえると、カーリースを利用した結果、結局高くついてしまった、という理由にはいくつかの傾向が見受けられます。
まず、カーリースの料金を車両本体価格と混同していること、利用制限があること、返却時の追加費用が印象に残っていることです。
これらの諸費用について、次の項目で詳しく解説します。
カーリースの「総額」とは?
では、前項までの解説に登場した用語、つまりカーリースにおける「総額」と呼ばれるものにはどのようなものが含まれているのでしょうか。
一般的に車の「総額」といえば、車両本体価格とオプション費用などを合計したもののことを指しますが、カーリースの場合に限ってはそれだけではありません。
以下には、カーリースの「総額」そして、それを契約期間で割った「月額料金」に含まれている内訳について解説します。
車両本体価格
まず、基本となる金額が車両本体の価格です。
中古車や新車を購入する場合には、主にこの費用が基準となり、その金額とカーリースとの総額を見比べることとなるでしょう。
しかし、実はカーリースにおける「総額」に含まれている車両本体価格自体は、購入する場合の金額とそう大きな開きがないのが一般的です。
自動車税とその他税金
車両本体価格以外に、カーリースの総額に含まれている代表的な費用が、自動車税、環境性能割などの税金です。
これらの税金は、もし自分で自動車を購入することになった場合には、自ら納付書などを使って車両本体価格とは別に納付することになります。
しかしながらカーリースの場合には、最初から総額にこの税金が含まれたうえで、契約期間全体で割っているのです。
自賠責保険料
次に、車に乗る際に必須で加入する「自賠責保険料」です。
これも車両購入の場合には本体価格とは別に計算して自ら納付しますが、カーリースの場合には最初から総額に含まれています。
もちろん、自動車税と同様、カーリースの場合には別途納付書が届いたりはしません。
なぜならそれらは、カーリース会社が納付しているためです。
車検費用、メンテナンス費用
車を購入して日常的に利用している場合、普段かかる費用としてはガソリン代ぐらい、と考える方がほとんどでしょう。
しかし、数年に一度のスパンで大きな支出となる費用があります。
それが車検などのメンテナンス費用です。
車検の年度であることを忘れていて、車検直前になって資金の用意に慌てたという経験をした方も少なくないでしょう。
カーリースの場合には、この車検費用も最初から総額に含まれているため、車検費用を別途用意する必要はありません。
「残価」と「原状回復費用」
そして、カーリース特有の性質といえる費用が「残価」と「原状回復費用」です。
「原状回復費用」とは、車を原状回復させるための費用であり、不動産などで退去時に支払う原状回復費用と似ているため、イメージしやすいでしょう。
「残価」とは、リース会社が車を購入した際に、リース契約終了後にその車が残しておくべき「価値」の金額です。
あらかじめ残価を設定して、その分を総額から差し引いた金額を契約期間で割って、月額費用を算定します。
先の項目で、残価の精算が発生してお金がかかったというケースは、この残価設定を下回る状態で車を返却したことを意味しています。
つまり、リース契約開始時の想定よりも、車の状態が悪かったことを意味しているのです。
カーリースの「保険料」の仕組みを詳しく解説
車を公道で動かす上では、車両本体や運転免許のほかに、「保険」を欠かすことができません。
一般的に車を購入した場合には、自賠責保険と任意保険に自分で加入しますが、それではカーリースの場合、自動車保険についてはどのような扱いになっているのか、という点について解説します。
カーリースの「保険料」に含まれるのは「自賠責保険」
先に解説したように、公道で車を走らせるうえで必須となる「自賠責保険」は、カーリースの月額料金のもととなる「総額」にすでに含まれています。
そのため、契約者はリース車に乗り始める際に、別途自賠責保険の保険料を支払う必要はありません。
「任意保険」の取り扱いによっては高額に感じられる場合も
一方で、任意保険の取り扱いはというと、基本的にカーリース会社では任意保険は総額に含めていません。
そのため、契約者は任意保険は自ら保険会社と契約して、保険料を別途支払うこととなります。
この点が、「高い月額料金とは別に保険料まで払わなければいけなかった」という印象に強く残る可能性は高いでしょう。
実際には、「まとめてリース会社に必要な費用を支払い、任意保険だけを別に払っている」にすぎないのですが、請求額がまとまることで却って高く感じてしまうのかもしれません。
購入とカーリースでは支払っている金額の違いがある
さて、ここまで解説してきた内容を改めて振り返ってみますと、自動車を購入する場合と、カーリースで支払う月額料金のベースとなる「総額」には、支払っている金額の違いがある、ということが明らかになってきました。
個別の解説は先にした通りですが、ここで再度、自動車を購入する場合と、カーリースで支払う場合とに分けて、それぞれどのような費用を支払っているかを解説します。
カーローンで購入した場合は「車両本体価格」だけを支払っている
まず、自動車を購入した場合、「車両本体価格」だけを支払っています。
もちろん、購入する店舗によっては、オプションなどが含まれていたり、ディーラーであれば保険の代理店として保険の支払いも合わせて行えるケースがありますが、基本的に購入するユーザーの印象に強く残るのは車両本体価格です。
実際に車を利用するうえでは、この車両本体価格に加えて各種税金や、車検費用などの費用が別々にかかっているのですが、カーリースではそれらをまとめて支払っているために、高く感じる傾向にあることは否めないでしょう。
カーリースの場合には、「車両本体価格+利用にかかる費用」を支払っている
カーリースの場合には、自動車をリース会社が一括で購入する「車両本体価格」に加えて、「車を利用するうえでかかる費用」をまとめて月々分割して払っていることになります。
すなわち、各種税金や自賠責、そして車検・メンテナンス費用です。
これらが総額で車両本体価格と合わさり、さらに残価設定と原状回復費用という返却時の支払いがあることで、相対的にカーリースが購入よりも「コスパが悪く」見えてしまうことはある種やむを得ないのかもしれません。
しかしながら、支払っている金額の一つひとつを見ると、決して購入している場合と比較しても不自然に高額というわけではないのです。
まとめ
この記事では、カーリースが他の車の利用手段と比較して、結局高いと言われてしまう理由・原因について解説してきました。
カーリースが高いと言われてしまう理由にはさまざまなものがありますが、実際にそれぞれの費用を細かく見ていくと、実は自動車を購入した場合には別個に支払っているものをカーリースではまとめて総額に加えていたりと、大きな変動がないケースもあります。
ただし、購入した車の利用とカーリースにはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが一方的に優れているというものでもありません。
車を利用しようと考える中で、車を購入するのがよいのか、カーリースで月額料金を支払って利用するのがよいのかで迷っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
この記事の監修者
ctn-magazine
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