法人で車をリースするデメリットはあるの?魅力やデメリットについても解説!
会社・法人で車を利用するというシーンは決して少なくありません。
顧客や取引先の訪問に車を活用する場合もありますし、自社内でもたとえば支店・支社間を移動するのに車を活用するという場面もあるでしょう。
また、輸送手段として車を活用したりするというケースも少なくありません。
このように、会社で車を活用するシーンはいくつもありますが、その中で、自社で車を購入して保有するのがよいのか、それともレンタカーやカーリースといった「利用する」という選択肢がよいのか迷ってしまうということもあるでしょう。
この記事では、法人が車を使用するにあたって、「保有」の選択肢と「利用」の選択肢、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
目次
法人で車を利用する際の選択肢とは?
会社から出て顧客の家や事務所に向かう、自社の支店や支社間を移動する、現場の状態をチェックするなど、法人が車を利用する機会というのも多くあります。
一般的には「社用車」「営業車」などと呼ばれるようなこれらの車ですが、こうした法人の車は必ずしもその法人が購入した車であるとは限りません。
法人が業務目的で車を利用する際の選択肢には、どのようなものがあるのでしょうか。以下に法人が車を利用する際の各種の選択肢について解説します。
新車の購入
まず、もっとも身近にイメージしやすい選択肢としては、「新車の購入」が挙げられるでしょう。
営業車としてはピカピカで型式も新しい新車を運転して顧客のもとを訪れるということで、信頼感を持たせるという意図をもって新車購入の選択肢をとる会社も少なくありません。
しかしながら、新車の購入はもちろんコストが高くなりがちですし、新しい型の車が世に出た際に、どの程度の頻度で車を入れ替えていくのかといったような難しい判断を迫られるという問題もあります。
中古車の購入
続いて、新車ほどではないものの使い勝手のよい選択肢としては「中古車の購入」が挙げられます。
直接顧客のもとへ訪れるわけではなかったり、車を使う用途・頻度が少ないなどの場合には、わざわざ新車を購入するほどではないというケースもあるでしょう。
このような場合に、中古車の購入は有力な選択肢となります。
しかしながら、中古車であっても車を保有することによるランニングコストは生じますし、中古車であることによる破損・汚損や寿命の短さなどがリスクとなるケースもあるでしょう。
レンタカー
会社でほとんど車を利用しないものの、ときおり一日だけ、あるいは数時間だけ車が必要なシーンが訪れるというケースもあるでしょう。
このようなケースでは、レンタカーが選択肢となる可能性があります。
個人でも利用するハードルの低いレンタカーは、法人でも同様に利用のハードルが低く、短時間・1日だけの車の利用というシーンにおいて良い選択肢です。
しかしながら、レンタカーは基本的に短い期間での利用を想定しており、定期的に車を利用する必要があるというような会社にとってはあまり効率的とはいえません。
利用頻度によってはかえって割高となってしまうケースもあるでしょう。
サブスク
「サブスク」という言葉が近年ではよく見られます。
「車のサブスク」というのは、基本的にこの後に解説する「カーリース」の1形態と理解することができます。
毎月一定額を支払うことで車を利用することができるというサービスです。
レンタカーよりも使用頻度が多いものの、購入するハードルが高いという会社にとっては、サブスク・カーリースはよい選択肢となります。
カーリース
カーリースは、レンタカーよりも長期間の契約となり、毎月一定額の利用料金を支払うことで車を利用することができるというサービスです。
車の所有者はカーリース会社のままで、契約した会社が車を利用することができる点でレンタカーと似ていますが、契約期間以外にもレンタカーとは異なる点があり、また購入する場合と比較してのメリットもあります。
車の利用頻度や会社の経費上、車両にかけられる予算などとの兼ね合いから、カーリースが選択肢に上がるケースというのは決して少なくないでしょう。
法人がカーリースを利用するメリットとは?
法人が車を利用する際の選択肢には、上記に挙げたようなものがあります。
ではその中でも、カーリースを選んで利用することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
中古車や新車を購入するという選択肢や、レンタカーを利用するという選択肢と比較した際に、カーリースにどのようなメリットがあるのかという比較の視点も含めて、以下に解説します。
初期費用を抑えられる
まず、カーリースを利用するうえでのメリットのひとつに「初期費用を抑えられる」という点があります。
仮に、会社で使う車を新車・中古車で購入するという場合には、まとまった資金が必要となることはイメージしやすいでしょう。
仮に、ローンを利用して購入するという場合であっても、月々のローンの返済の他に、購入にあたっての頭金、税金などの費用が上乗せとなってくるため、初期費用はかなり大きなものとなります。
特に、人が乗るだけではなく荷物を乗せるような大型車両を必要としている会社にとっては、本体価格も高くなるため、当然頭金として用意する金額も大きくなることが予想されます。
初期費用がかからないカーリースであれば、こうした心配はなく、一挙に複数台の車両を会社で利用することができるという資金面での大きなメリットがあります。
ナンバープレートがレンタカーナンバーにならない
次に、ナンバープレートについてです。
車両を購入した場合には一般的な営業ナンバーとなるか、場合によっては自家用ナンバーとなるわけですが、購入するほどでもないという判断でレンタカーを選択した場合、ナンバープレートはレンタカーであることを示す「れ」や「わ」のナンバーとなります。
もちろん、会社の業務でレンタカーを使ったところで性能には一切問題がありませんし、金銭的な不利益があるわけでもありませんが、たとえば顧客のもとを訪れる際にレンタカーでは失礼と考えるケースもあるでしょう。
このようなとき、カーリースの車であれば、ナンバープレートはレンタカーのように「れ」や「わ」のナンバーにはなりません。
経費処理がしやすい
法人がカーリースを利用するメリットは他にもあります。
それは、「経費処理がしやすい」という点です。
経費処理がしやすいというのは、主に新車や中古車を購入した場合との比較によるものです。
新車や中古車を法人で購入して経費処理をする場合には、「減価償却」が必要となります。減価償却は、資産の価値が年々目減りしていくという処理が必要となる経理処理ですが、これは会計部門などにおいて、自社で保有している車の減価償却の処理をする手間をかけなければならないことを示しています。
一方で、カーリースの場合には、リース料を全額そのまま経費計上することができるため、「減価償却が不要」となり、会計・経理部門の負担は大きく軽減されます。
節税になる
カーリースで車を利用することは、所有することに比べて「節税になる」というような情報を見聞きしたことがあるという方もいるかもしれません。
この「節税になる」というのは、カーリースを利用すると「税金がかからない」ということではありません。
カーリースにおいても、毎月契約者が払う利用料金の中に、自動車税は分割されて含まれていますし、最終的にはリース会社が自動車税を支払っています。
では、「節税になる」という情報はどこから来るかというと、先の項目で解説した「経費計上できる」という点にあるためです。
仮に1回あたりの支払い額が同程度の金額となるローン購入の場合と比較しても、毎月の支払の全額を経費にすることができ、またこの毎月の支払い料金には維持費も含まれていることから、それらをまとめて経費処理することができるために節税効果があるとされているのです。
法人がカーリースを利用するデメリットはある?
ここまでは、法人がカーリースを利用するメリットについて解説してきましたが、メリットの一方で気になるのはデメリットです。
以下には、法人がカーリースを利用するうえでのデメリットとなるケースがある特徴について解説します。
走行距離の上限がある
これまでカーリースを利用してこなかった人が、はじめてカーリースを利用した際に戸惑うデメリットのひとつに「走行距離の上限」があります。
カーリースには、走行距離の上限があり、超過料金が発生してしまいます。
この走行距離上限が設けられている理由としては、車の価値を想定残価より下回らせないためなのですが、これを知らずに長距離を連日運転するという想定でカーリースの契約をしてしまうと、肝心な場面で使えなくなってしまう危険性があります。
また、カーリースのメリットを打ち消してしまう危険性もあるため、注意が必要なポイントといえるでしょう。
途中解約ができない・しづらい
途中解約ができない点については、カーリースの契約で注意が必要な項目のひとつです。カーリースは、あらかじめ長期間を想定して契約をするという形態です。
そのため、ほとんどのカーリースでは途中解約を認めていません。
万一途中解約が認められた場合でも、残価の精算のほかに途中解約の違約金を請求されるケースがあるなど、想定外の出費となってしまう危険性がある点については注意が必要です。
審査がある
カーリースの利用で特徴的なもうひとつのポイントに「審査」があります。
ローンなどと同様ではありますが、一括購入やレンタカーなどでは審査がないのが普通です。しかし、ほとんどのカーリースでは契約段階で審査が必要となります。
審査はカーリース会社の独自基準で審査をするため、一般的なクレジットカードや不動産などの審査とは異なるポイントでチェックされるのですが、こうした審査があること自体がデメリットとなる場合がある点については注意が必要です。
トータルでの支払いが高くなる可能性がある
カーリースは、確かに初期費用が少なく車を利用することができるため、車を会社の業務に使ううえで有力な選択肢となります。
しかしその一方で、先に解説したような中途解約ができない、中途解約をした場合に違約金が発生する、走行距離上限を超過した場合には追加料金が発生する場合がある、そして最終的には車を保有できるわけではないなど、長い目で見たときにトータルでの支払いが高くなってしまう可能性があります。
いっときの初期費用を節約するという視点は確かに重要ですが、長期的に見て自社の車の使い方がカーリースに合っているのかということはしっかりと判断することが必要です。
車の導入は購入にするべきかリースにするべきか?
ここまで、法人が車を利用するうえでのカーリースという選択肢について、メリット・デメリットを解説してきました。
カーリースにもメリット・デメリットはもちろんありますが、それは新車・中古車を購入する場合でも同様です。
では、会社として車を使用する際には、購入にするべきか、それともカーリースとするべきか、結局どのように判断するのがよいのでしょうか。
金額の考え方は「利用」か「維持」か
カーリースの初期費用が少なく抑えられるという点は先に解説したとおりですが、その反面、カーリースでは車を保有することはできません。
一方で、車を購入する際には、初期費用が高くなるなどのデメリットがある一方で、最終的に車を維持することができます。
車を所有・維持することそのものが会社にとっての目的であるのか、会社の業務にとって車が必要不可欠なものであるのか、それとも必要に応じて移動手段・輸送手段として利用できればよいのかという点に着目すると、この点の判断基準となるでしょう。
事故や故障のリスクをどう考えるか
車に載っている限り、事故や故障のリスクというのはつきまといます。
それは車を購入する場合も、またカーリースやレンタカーで利用する場合も同様です。
カーリースでは、事故などで車を全損させた場合には、基本的に契約解除となってしまい、車を利用することができなくなってしまいます。
しかし、その点は車を購入して所有している場合であっても同じと見ることもできるでしょう。
車の利用方法と事故・故障の頻度、万が一そうした事態に見舞われたときの対応手順を定めておくことなどによって、自社が車を「保有」するのか「利用」するのかという判断がしやすくなります。
まとめ
この記事では、法人が車を会社の業務に使ううえでのカーリースという選択肢について、そのメリット・デメリットを中心として解説してきました。
カーリース以外の選択肢、たとえば購入やレンタカーの利用といった選択肢にも、そしてカーリースという選択肢にも、それぞれメリットとデメリットがあるというのは共通しています。
自社での車の位置づけや、車をどのように業務の中で活用するのかといった点をよく整理して、最適な選択肢を選べるようにしておくのがよいでしょう。
この記事の監修者
ctn-magazine
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