カーリース車で事故を起こしてしまった!正しい対処・保険・修理代を解説
車の運転中に事故を起こしてしまうと、やはり多くの方は焦ってしまうものです。
まして、それが自分の所有物ではなく、カーリース会社から「借りている」という扱いのリース車であれば、なおさら焦り混乱してしまうこともあるでしょう。
カーリース車で事故を起こした、あるいは事故に遭った場合、基本的には自家用車での事故の場合と対応は変わらないのですが、一部カーリース契約のときのみ必要な注意点などもあります。
この記事では、カーリース車での事故について解説します。
目次
カーリース車での事故はまず正しい初期対応を
自分の車を運転していて事故を起こしてしまったという場合であっても、運転者の多くは大変動揺することでしょう。
特に、事故を起こすことが初めてだという場合には、何をどうするべきなのかわからなくなってしまい、適切な対応をとることができなくなってしまうケースもあります。
しかし、事故という緊急事態においてこそ、運転者の正しい初期対応でそれ以上の被害を食い止め、損害を最小限にすることができます。
これは、自家用車であっても、カーリース車であっても同じことです。
まず、カーリース車を運転しているときに事故に遭ってしまった、または、事故を起こしてしまったときに行うべき初期対応について、次の項目で解説します。
事故が起きた場合の初動は所有車と同じ
まず大前提として、基本的な初動対応は「自家所有車」であっても、「カーリース車」であったとしても同じであることを認識しておく必要があります。
つまり、カーリース車の事故だから何かの手順は省略してよい、しなくてよいといった判断はせず、自家用車で事故を起こしてしまった場合と動揺の対応を取ります。
まずは、事故の状態を冷静にチェックします。負傷者の有無の確認や、衝突した車の状態を確認し、ガソリンの漏れなどがないかなどを確認しておく必要があります。
それらが済んだら、次に各所への連絡が必要となります。
カーリース車の事故で連絡する先は?所有車の場合との違い
一般的に、自家用車で事故を起こしてしまった場合には、警察、消防(救急)そして保険会社へ連絡します。
通常の自家用車の事故であればこれで一応の連絡行動は終了ですが、たとえば会社所有の営業車などであった場合には、会社への報告の電話も忘れずに行いましょう。
そして、カーリース車で事故を起こした場合には、これに加えてカーリース会社へ連絡する必要があります。
カーリースはあくまで借りている車であるため、貸主であるカーリース会社への連絡が必須となるのです。
なお、このカーリース会社への連絡は「そうしたほうがよい」ということではなく、多くのカーリース会社で「必ずすること」として契約条項に盛り込まれています。
従って、事故の発覚を恐れてカーリース会社への報告を怠ったり、隠蔽したりすると、契約違反となる可能性があります。
カーリース車では「事故でなくても」報告が必要なケースがある
さて、事故のようにわかりやすく「借り物」が破損した場合には、カーリース会社に連絡する必要があるというのは、説明をされずともなんとなくイメージしやすいところでしょう。
しかし、カーリース会社との契約でリース車を借りているという場合には、「事故でなくても」報告が必要なケースがあります。
それは、車体に何らかの傷等の破損を見つけた場合です。
事故の影響で車体に傷がついた場合は、それは運転者に一定の責任が生じるのですが、そうではない傷なのに報告が必要なのは、「自己責任の事故でついた傷ではない」ことをあらかじめ報告しておくためです。
カーリース会社ではこのような報告を義務付けているかどうかは契約条件によりますが、返却時のトラブルを避けるためにも、できるだけ車体はこまめにチェックして車体の傷などを見つけたら報告するようにしておくとよいでしょう。
カーリース車で事故に遭った場合の注意点
さて、それではカーリース車で事故に遭った場合・事故を起こしてしまった場合の具体的な手順とその注意点について解説していきましょう。
事故の際は、何よりも落ち着いて行動することが重要です。
ひとつひとつの手順を飛ばさず、慌てて先走った行動を取ったりせず、確実な安全を確保しつつ行動することが重要です。
負傷者の程度を確認し救急車を手配する
まず、事故を起こした・事故に遭った際にまっさきに行うべきことは負傷者の有無とその程度を確認することです。
負傷者がいる場合であれば、その負傷は命に関わることもあります。
まず保険会社やカーリース会社へ連絡するよりも先に、救急車の手配と警察への連絡をしましょう。
救急車に通報をする際には、負傷者の具体的な状態を説明できるようにするとともに、救急隊が一刻も早く現場に到着できるよう、目印などを見つけて適切に救急指令センターへ情報を伝えるようにします。
二次災害につながらないようにする
事故による直接の被害者の状態を確認したら、今後は警察・救急隊の到着まで、現場の安全を確保します。
車はハザードランプを付けて停めておきます。
車のそばにとどまりたい気持ちもあるでしょうが、できるだけ路肩や歩道に避難するようにしましょう。
保険会社やカーリース会社への連絡は、このタイミングで行うのがよいでしょう。
なお、車が動かせる場合には車を路肩に寄せますが、それが終わったらすぐにエンジンを切りましょう。
また、すでにガソリンが流出しているなど危険を伴う場合には、三角停止板や発煙筒を活用して周囲に停止車両の存在を知らせたうえ、できるだけ車から離れるなど、安全を確保します。
警察から指示がある場合はそちらを最優先しましょう。
話し合いは保険会社を通す
事故を起こした場合や、事故に遭った場合、ついつい感情が高ぶって直接相手と賠償や補償の話をしたり、強く詰め寄ってしまいたくなるかもしれません。
しかし、基本的に事故の賠償や補償などに関しては、保険会社を通して交渉するのがもっともトラブルが少ない方法となります。
このとき相手と話すときには、連絡先や車のナンバー、相手の保険会社などを聞き取りましょう。
また、目撃者などがいる場合はその方の話を聞き、連絡先を聞いておくことも有効です。
事故現場の記録を残しておく
事故現場は、時間が立つとその場に残された重要な証拠が変わってしまうこともあります。事故当時の記憶というのは、時間経過とともに薄れてしまったりするものです。
もしもボイスレコーダーやスマートフォンでの録画が出来る場合には、目撃者の証言、相手方の証言とを合わせて、事故の状況をできるだけ録画しておくようにしましょう。
また、ドライブレコーダーの映像の保全などを行うことも忘れないようにしましょう。
SDカードなど記録媒体に保存するタイプのドライブレコーダーである場合には、記憶媒体を手元に戻しておくことが重要です。
カーリース車の修理を行う
カーリース車の修理は、基本的にリース契約の場合には、事故を起こした場合には、利用者が別途支払う必要があります。
なお、車が「一部破損」の場合には、リース契約そのものには影響がなく、利用者自身で修理を行って、引き続きリース車を利用することができます。
カーリース車での事故と修理費用
続いて、カーリース車での事故と修理費用の関係について詳しく解説していきます。
先の項目で、一部破損の場合には引き続き車を利用できる点を解説しましたが、その他にもカーリース車での事故と修理費用について、利用者が認識しておくべきポイントがあります。
以下で、より詳しくこの点について解説しましょう。
修理費用は「自己負担」が原則
まず、先に解説したように、カーリース車での事故の場合、事故を起こした際の修理費用については、月額料金であるリース料金には含まれていません。
そのため、事故を起こした際や事故に遭った際に支払う車の修理費用は、利用者がリース料金とは別途に支払う必要があります。
ただし、修理費用さえ支払えるのであれば、リース契約はそのまま継続することができます。
廃車レベルの全損事故では契約解除も
しかしながら、車が廃車となるレベルの全損で、走行できない状態となってしまった場合、その時点でリース契約そのものが強制的に解約となってしまうこともあります。
なお、このような事故・車の全損によって契約が解除となった場合にリース期間の残りがあれば、残りの契約期間に関して違約金を支払わなければなりません。
違約金は、残りの期間のリース料と車の残価、そして解約手数料もかかってくることに注意が必要です。
「原状回復義務」にも注意
なお、一部破損で車を修理し、そのまま乗り続けることができた場合や、走行に支障のないレベルの小さな傷やへこみなどがある場合、契約解除とはならないものの、「原状回復義務」についても注意が必要です。
このような傷やへこみがある場合、契約満了時に原状回復のための費用がかかる可能性があります。
この点に注意しておきましょう。
カーリースで事故に備える!保険の重要性
ここまで解説してきたように、カーリース車であっても、事故に遭った際や、事故を起こしてしまった際の責任については、自家用車で事故を起こした場合と同様です。
つまり、事故についてはあらかじめ運転者のほうが備えておく必要性があるということです。
ここからは、事故に備えるための保険の重要性について解説します。
任意保険付きのカーリースという選択肢もある
基本的に任意保険は、自動車を運転する方であれば「自分で加入するもの」という認識の方も多いでしょう。
しかし、カーリースを利用する場合にはどうなっているのかわからないという場合もあるかもしれません。
まず、1つ目の選択肢としては、任意保険付きのリース契約に加入するという選択肢があります。
任意保険付きリース契約は、リース利用料事態がやや高めの価格設定となっていますが、その理由は、任意保険の保険料が含まれるためです。
個別に任意保険に加入することもできる
任意保険付きのカーリース契約をすることは、自分自身で保険を検討したり別途契約したりするような手間を削減できる一方で、自分が本当にほしい保険だけを選ぶなど、柔軟性については制約があります。
このようなときには、カーリース自体はカーリースだけで契約をし、任意保険については個別に加入するという方法をとることもできます。
長期の契約なら「車両保険」も選択肢に
1年という期間は、車を運転する期間としては短いですが、日常生活で考えると比較的長い期間であるともいえます。
このようなとき、車を運転していて、人や物を破損した場合は対人・対物補償を適用します。
しかし、たとえば自損事故や自然災害などで車を破損した場合には、相手のいる事故ではないため、相手の保険を使って修理することはできません。
すべて自腹での修理となってしまいます。
このようなとき、「車両保険」に加入しておけば、1年という長い契約期間の中で、万が一自然災害や自損事故で車を破損した場合でも、保険を使用して車の修理を行うことができます。
事故を起こした後でもリース契約を続行することはできる?
カーリース契約中の事故について、再度おさらいをしましょう。
まず、カーリースで契約したリース車について、事故などで車が全損し、自走できない状態になってしまった場合には、その時点でカーリース契約は強制的に解約となります。
そして、カーリースの残り期間、契約時に設定した車の残価、解約手数料などを加えた額を「違約金」としてカーリース会社に支払う必要性があります。
なお、相手の車や人にぶつけられたという、いわゆる「もらい事故」に関しては、相手側の保険を使って修理代の補填を請求すること自体は可能です。
一方、カーリース車を運転していて事故に遭った場合で、修理すれば自走できる程度の一部破損については、リース契約は強制解約とはならず、そのまま契約を続行することはできます。
ただし、車の修理費用はリース契約の中の月額で支払うリース料金には含まれていないため、自分で支払う必要があります。
このようなことから、万が一の事故、自然災害、自損事故などにも備える意味として、車両保険を含めた任意保険に加入しておくのが安心であるといえます。
なお、カーリース契約の中には、任意保険付きのリース契約があり、これを選択してもよいですし、カーリース自体はそれだけで契約をして、任意保険については自分で個別に契約をすることも可能です。
自身の都合や保険に対する考え方を整理して、ベストな選択をするようにしましょう。
まとめ
この記事では、カーリース車における事故について解説しました。
カーリース車を運転している際に事故に遭ったり、事故を起こしてしまったという場合には、警察や救急への連絡、保険会社への連絡とは別に、カーリース会社への連絡も必要となる点を把握しておきましょう。
また、カーリース車については、事故でなくても、傷やへこみなど車体の異常を発見した際には、カーリース会社に都度報告しておくのが無難です。
車体の一部破損の場合には、引き続きカーリース契約を続けることができますが、修理代は契約者自身の負担となることから、契約者自身で車両保険を含む任意保険に加入することは必須の対策であるといえます。
この記事の監修者
dp_staff