車の費用は年間いくら?維持費の内訳とリースとの比較を解説

車を所有すると、車両本体の購入費用以外にも、税金や保険料、ガソリン代といった様々な費用が継続的に発生します。
車を維持するためにかかるこれらの費用は、年間で計算すると決して少なくない金額になります。
この記事では、車の維持にかかる年間の総額やその内訳、費用を安く抑えるための具体的な方法について解説します。
また、近年利用者が増えているカーリースと購入のどちらがお得かについても比較検討します。
目次
車の年間維持費は平均いくら?軽自動車と普通車の総額を解説

車の年間維持費は、車種によって大きく異なります。
特に、軽自動車と普通車では税金や保険料に差があるため、総額にも違いが出ます。
一般的な目安として、軽自動車の年間維持費は平均で35万円前後、コンパクトカーなどの普通車では45万円前後が相場とされています。
この金額には、自動車税や車検費用、ガソリン代、駐車場代などが含まれます。
以下に、維持費を構成する項目の一覧と、それぞれの費用の詳細を解説します。
【車種別】年間維持費のシミュレーション
車の維持費は、車種のボディタイプや排気量、燃費性能によって大きく変動します。
ここでは、代表的な車種である「軽自動車」「コンパクトカー」「ミニバン」の3つのカテゴリーに分け、それぞれの年間維持費がどのくらいになるのかシミュレーションします。
これから紹介する金額はあくまで一般的な目安であり、走行距離や駐車場の料金、加入する任意保険の内容など、個々の利用状況によって金額は前後します。
軽自動車にかかる年間の費用

軽自動車は、普通車に比べて各種税金が安く設定されており、維持費を抑えやすいのが特徴です。
例えば、ホンダのN-BOX(2WD)を年間1万km走行、駐車場代が月額8,000円と仮定した場合、年間の維持費は約38万円が目安となります。
内訳としては、軽自動車税が10,800円、自動車重量税が6,600円(2年分を年換算で3,300円)、自賠責保険料が約1万円、車検費用が約3万円、ガソリン代が約9万円、駐車場代が約10万円、オイル交換などのメンテナンス費用が約3万円程度です。
これに加えて任意保険料が必要になります。
コンパクトカーにかかる年間の費用

コンパクトカーは普通車の中でも比較的維持費が安価なカテゴリーです。
トヨタのヤリス(1.5L)を軽自動車と同じ条件でシミュレーションすると年間の維持費は約46万円が目安です。
内訳は自動車税が34,500円、自動車重量税が24,600円(2年分を年換算で12,300円)、自賠責保険料が約1万円、車検費用が約4万円、ガソリン代が約7万円、駐車場代が約10万円、メンテナンス費用が約3万円程度となります。
軽自動車と比較して特に税金の負担が大きくなることがわかります。
ミニバンにかかる年間の費用

ファミリー層に人気のミニバンは、車体が大きく重量もあるため、維持費は高くなる傾向にあります。
トヨタのアルファード(2.5L)を同様の条件でシミュレーションした場合、年間の維持費は約57万円が目安です。
内訳を見ると、自動車税が43,500円、自動車重量税が41,000円(2年分を年換算で20,500円)、自賠責保険料が約1万円、車検費用が約5万円、ガソリン代が約14万円、駐車場代が約10万円、メンテナンス費用が約4万円となります。
燃費性能や税額が、他の車種より高額になることが特徴です。
これに加えて任意保険料も必要です。
必ずかかる!車の維持費を構成する7つの項目
車を所有し続ける限り、誰もが支払わなければならない費用が存在します。
これらは大きく分けて、税金、保険料、そして車両の維持管理に関わる費用に分類されます。
具体的には、自動車税や自動車重量税、自賠責保険料、車検費用、ガソリン代、駐車場代、そして定期的なメンテナンス費用です。
これらの費用は、車の維持に不可欠であり、年間維持費の大部分を占めるため、それぞれの内容を正確に理解しておくことが重要です。
自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割)

自動車税(種別割)および軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点の車の所有者に対して課される地方税です。
普通自動車の税額はエンジンの総排気量によって決まり、排気量が大きいほど税額は高くなります。
例えば、1L超~1.5L以下は30,500円、1.5L超~2.0L以下は36,000円です。
一方、軽自動車税は排気量に関わらず一律10,800円(標準税率)となっています。
この税金は年に一度、通常は5月末までに納付する必要があります。
また、新車登録から一定年数が経過すると税額が上がる重課措置もあります。
自動車重量税

自動車重量税は、その名の通り車両の重量に応じて課税される国税です。
新車を購入した時と、継続車検を受ける際に、次の車検までの期間分をまとめて支払います。
税額は、軽自動車か普通自動車かという区分と、車両重量によって定められており、普通車の場合は0.5トンごとに税額が加算されます。
そのため、車体が重い車ほど税負担も大きくなります。
ただし、燃費や排出ガス性能が優れたエコカーは、その性能に応じて税金が減免される「エコカー減税」の対象となる場合があります。
また、新規登録から13年および18年が経過した車両は、税額が上積みされます。
自賠責保険料

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、すべての自動車に加入が義務付けられている強制保険です。
この保険は、交通事故による被害者の救済を第一の目的としており、補償の対象は相手方の死傷に対する損害、つまり対人賠償に限定されます。
保険料は、車種(普通自動車・軽自動車)と保険期間によって一律に定められており、全国共通です。
通常、新車購入時や車検時に、次の車検までの期間分をまとめて支払います。
未加入の状態で公道を走行すると、厳しい罰則が科せられます。
車検費用

車検(自動車検査登録制度)とは、国が定める保安基準に車が適合しているかを確認するための検査で、新車登録から3年後、それ以降は2年ごとに受ける義務があります。
車検代は、大きく分けて「法定費用」「車検基本料」「部品交換費用」の3つで構成されます。
法定費用は、自動車重量税、自賠責保険料、印紙代の合計で、どこで車検を受けても金額は変わりません。
一方、車検基本料は点検や整備、事務手数料などを含み、ディーラーや整備工場、ガソリンスタンドといった依頼先によって相場が異なります。
ガソリン代・燃料費
ガソリン代や燃料費は、車を走行させるために不可欠な費用であり、維持費の中でも特に変動が大きい項目です。
年間の費用は、走行距離、車種の燃費性能、そして原油価格の動向によるガソリン価格の変動という3つの要素に大きく左右されます。
例えば、年間1万km走行する場合、燃費が15km/Lの車と25km/Lの車とでは、ガソリン代に数万円の差が生じます。
日常的に車を利用する頻度が高いほど、燃費性能の良し悪しが年間のガソリン代に与える影響は大きくなります。
駐車場代
自宅に駐車スペースがない場合、月極駐車場を契約する必要があり、その費用も維持費の重要な一部となります。
駐車場代の相場は地域によって大きく異なり、都心部では月に数万円かかることも珍しくありませんが、郊外や地方では数千円程度で済む場合もあります。
全国平均では月額8,000円前後とされていますが、都市部ではその数倍にのぼることも想定しておくべきです。
年間で計算すると10万円以上の大きな出費になるため、車を購入する前には、周辺の駐車場相場を調べておくことが不可欠です。
メンテナンス費用(オイル交換など)
車を安全かつ良好な状態で維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
このメンテナンス費用には、消耗品の交換や法定点検などが含まれます。
代表的なものとして、走行距離や使用期間に応じて行うエンジンオイル交換や、タイヤ、バッテリー、ワイパーゴム、ブレーキパッドなどの交換が挙げられます。
これらの整備は、車検時の24ヶ月点検だけでなく、法律で定められた12ヶ月点検や日々の点検を通じて適切な時期に行う必要があります。
車のコンディションを整えるための重要な費用です。
状況によって発生する追加の費用
これまで紹介した定期的に発生する維持費のほかに、個人の利用スタイルや予期せぬトラブルによって追加で発生する費用も存在します。
例えば、任意保険料は加入が義務ではありませんが、万が一の事故に備えてほとんどの人が加入します。
また、遠出をする際の高速道路料金や、経年劣化による故障を修理するための費用も考慮に入れる必要があります。
これらの費用は人によって金額が大きく異なるため、自身のカーライフを想定して予算を組むことが求められます。
任意保険料

任意保険は、強制加入である自賠責保険だけでは補いきれない損害をカバーするための民間の保険です。
自賠責保険の対人賠償の上限を超える部分や、対物賠償、自分自身のケガ、車両の損害など、補償範囲を幅広く設定できます。
保険料は、運転者の年齢、免許証の色、等級(無事故歴)、車種、車両保険の有無、運転者限定特約など、様々な条件の組み合わせによって決まります。
特に年齢が若いドライバーは事故のリスクが高いとされ、保険料が高くなる傾向にあります。
万が一の高額な賠償に備えるため、加入しておくことが強く推奨されます。
高速道路料金
通勤や旅行、帰省などで高速道路や有料道路を利用する場合、その通行料金も維持費の一部として考える必要があります。
この費用は、利用する頻度や走行距離によって大きく変動します。
日常的に利用しない人にとっては大きな負担にはなりませんが、週末のレジャーや仕事で頻繁に長距離を移動する場合は、年間で計算するとまとまった金額になる可能性があります。
ETC(自動料金収受システム)を利用すれば、休日割引や深夜割引といった各種割引が適用されるため、通行料金を節約することが可能です。
故障した際の修理費用
車は多数の部品で構成される精密機械であり、長年使用していると経年劣化などによって故障が発生することがあります。
故障箇所や程度によっては、修理に高額な費用がかかる場合も少なくありません。
特に、エンジンやトランスミッション、エアコンといった主要な部品が故障すると、数十万円単位の出費になる可能性もあります。
予期せぬ故障を直す費用は突発的に発生するため、家計への負担が大きくなりがちです。
日頃から定期的な点検やメンテナンスを欠かさず行い、車の異常に早く気づくことが、大きな故障の予防につながります。
車の維持費を安く抑えるための具体的な節約術
車の維持費は年間で考えると大きな負担となりますが、日々の少しの工夫や定期的な見直しによって、その負担を軽減することが可能です。
運転の仕方一つでガソリン代は変わり、保険の契約内容や車検の依頼先を見直すことで、固定費を削減できます。
また、車選びの段階で税制優遇のある車種を選択することも、長期的な節約につながります。
ここでは、誰でもすぐに実践できる具体的な節約術をいくつか紹介します。

燃費の良い運転を心がけてガソリン代を節約する
維持費の中で比較的コントロールしやすいのがガソリン代です。
急発進・急加速・急ブレーキを避ける「三急」運転をやめ、穏やかなアクセル操作を心がけるだけで燃費は向上します。
発進時はゆっくりとアクセルを踏み、走行中は車間距離を十分に保ち、一定の速度で走るように意識することが有効です。
また、不要な荷物を車から降ろして車重を軽くしたり、タイヤの空気圧を適正に保ったりすることも燃費改善に役立ちます。
こうした日々の運転の積み重ねが、年間のガソリン代の節約につながります。
任意保険の契約内容を見直して保険料を安くする
任意保険は1年ごとに契約を更新するケースが多いため、そのタイミングが保険料を見直す絶好の機会です。
子供が独立して車を運転しなくなった場合などに、運転者の範囲を本人・配偶者限定に絞ることで保険料を安くできます。
また、車両保険の免責金額(自己負担額)を設定したり、自分にとって本当に必要な補償内容に絞り込んだりすることも節約につながります。
複数の保険会社から見積もりを取り、料金やサービスを比較検討することも、より条件の良い保険を見つけるための有効な手段です。
依頼先を比較検討して車検費用を抑える
車検費用は、依頼する業者によって大きく異なります。
一般的に、正規ディーラーは純正部品を使用し、手厚い整備が期待できる一方で費用は高くなる傾向があります。
対して、車検専門店やカー用品店、ガソリンスタンドなどは、ディーラーよりも費用を安く抑えられる場合が多いです。
ただし、業者によって整備の範囲や質が異なるため、安さだけで選ぶのは避けるべきです。
複数の業者から事前に見積もりを取り、料金だけでなく、整備内容やアフターサービスまで含めて総合的に比較検討することが、納得のいく車検を受けるためのポイントです。
エコカー減税対象の車を選んで税金の負担を軽くする
車の購入時に、環境性能に優れた「エコカー」を選ぶことで、税金の負担を軽減できます。
エコカー減税は、燃費基準の達成度に応じて新車購入時や車検時の自動車重量税が減税または免税される制度です。
また、グリーン化特例により、購入した翌年度の自動車税(または軽自動車税)も軽減されます。
対象となるのは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、クリーンディーゼル車などです。
車両本体価格はガソリン車より高価な場合がありますが、税金の優遇や燃料費の安さを考慮すると、長期的な維持費を大きく節約できる可能性があります。
【購入vsリース】費用面でどちらがお得か徹底比較
車を手に入れる方法として、従来の「購入」に加え、月々定額で車に乗れる「カーリース」も一般的な選択肢となっています。
購入とリースでは、初期費用や月々の支払いの仕組みが大きく異なり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
一概にどちらがお得とは言えず、自身のライフスタイルや車の使い方、予算計画によって最適な選択は変わります。
ここでは、費用面に焦点を当てて両者を比較し、自分に合った方法を見つけるための情報を提供します。
車を購入する場合のメリット
車を購入する最大のメリットは、その車が完全に自分の所有物になる点です。
ローンを完済すれば資産となり、売却して現金化したり、家族に譲ったりすることも自由です。
また、リース契約のように走行距離の制限がないため、長距離を走る人でも気兼ねなく利用できます。
ドレスアップやカスタマイズも自由に行えるので、自分だけの特別な一台に仕上げる楽しみも味わえます。
所有する喜びを感じながら、何の制約も受けずにカーライフを満喫できるのが、購入が持つ大きな魅力です。
車を購入する場合のデメリット
車を購入する際には、車両本体価格だけでなく、税金や保険料、登録手数料といった様々な初期費用が発生し、まとまった資金が必要になります
ローンを利用する場合でも、頭金の準備が求められることがあります。
また、購入後は自動車税の納付や車検の予約、定期的なメンテナンスなどを全て自分で管理しなければならず、手間と時間がかかります。
ライフスタイルの変化に合わせて短期間で乗り換えたい場合や、2台目を持ちたいと考えた際にも、その都度購入や売却の手続きが必要になる点がデメリットです。
カーリースを利用するメリット
カーリースの大きなメリットとして、頭金などの初期費用が原則0円で新車に乗り始められることが挙げられます。
月々のリース料金には、車両代金に加え、登録諸費用や契約期間中の自動車税、自賠責保険料などが含まれているため、支払いが平準化され家計の管理がしやすくなります。
プランによっては車検費用やオイル交換などのメンテナンス費用もコミコミにできるため、突発的な大きな出費の心配がありません。
常に一定額の支払いで済むため、予算を立てやすい点が魅力です。
カーリースを利用するデメリット
カーリースは契約期間満了後に車を返却することが基本であり、自分の資産にはなりません。
そのため、車の改造やカスタマイズは原則として禁止されています。
また、多くのリース契約には月間や年間の走行距離制限が設けられており、超過した場合は追加料金が発生します。
契約期間中の解約は原則として認められず、やむを得ない事情で解約する際には高額な違約金が必要になることがほとんどです。
返却時の車両査定で、傷や汚れの状態によっては原状回復費用を請求される可能性もあります。
月々の支払いを抑えたいならカーリースも選択肢に
初期費用をかけずに新車に乗りたい、あるいは車に関する出費を月々定額にしたいと考える人にとって、カーリースは非常に合理的な選択肢です。
購入の場合、1年の中でも自動車税の納付月や車検の月など、まとまった費用が必要になるタイミングがありますが、リースであればそれらの費用も月額料金に含まれているため、1ヶ月あたりの負担を均等にできます。
数年ごとに新しい車に乗り換えたい人や、税金や車検の手続きを面倒に感じる人にも適しています。
自分のカーライフや予算計画と照らし合わせ、メリットを最大限に活かせるかどうかが判断の鍵となります。
まとめ
車の費用は、税金、保険料、車検代などの必ず発生する固定費と、ガソリン代、メンテナンス費用、駐車場代といった乗り方や環境によって変動する費用で構成されます。
年間維持費の総額は、軽自動車か普通車かによって大きく異なり、具体的な金額は車種別のシミュレーションが参考になります。
これらの費用を節約するためには、燃費を意識した運転、任意保険の定期的な見直し、車検業者の比較検討、エコカー減税の活用などが有効です。
また、車の所有方法には購入とリースがあり、初期費用を抑え月々の支払いを平準化したいならリース、自由度の高さを求めるなら購入と、それぞれの特性を理解して自分のライフスタイルに合った方法を選ぶことが重要です。
この記事の監修者

ディープラス編集部
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- ディープラスは、カーリース専門店として豊富な実績を持ち、お客様に最適なカーリースプランを提供しています。ディープラスマガジンでは専門知識を活かし、カーリースの仕組みやお得な活用法、その他おクルマに関するお得な情報について分かりやすく解説します。
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